こちらの記事は後編となります。
前編はこちら
![](https://kawakagi.com/wp-content/uploads/2022/05/DSCF1006-160x90.jpg)
栃木レザーを使ったペンケースの作成工程のご紹介記事となっております。
作成工程(続き)
貼り合わせ
各パーツを張り合わせていきますが、事前に接着面を荒らしておきます。
![](https://kawakagi.com/wp-content/uploads/2022/05/DSCF0881.jpg)
接着には酢酸ビニル系の接着剤を使用しています。
![](https://kawakagi.com/wp-content/uploads/2022/05/DSCF0885.jpg)
乾いてしまうと粘着力がなくなってしまうので、この作業中はかなり焦ってます。笑
![](https://kawakagi.com/wp-content/uploads/2022/05/DSCF0887.jpg)
圧着させるために革を付けたクリップで固定していきます。
![](https://kawakagi.com/wp-content/uploads/2022/05/DSCF0888.jpg)
斜め漉き
ベルト部分は接着部分を事前に0.8mm程度の薄さになるように斜め漉きをしておきます。
![](https://kawakagi.com/wp-content/uploads/2022/05/DSCF0883.jpg)
ベルトも同様に酢酸ビニル系の接着剤を塗布し、
![](https://kawakagi.com/wp-content/uploads/2022/05/DSCF0893.jpg)
本体に貼り付けてクリップで固定します。
この時点でだいぶ完成形が見えてきました!
![](https://kawakagi.com/wp-content/uploads/2022/05/DSCF0900.jpg)
この革の柔らかさはあまり私の好みではないのですが•••
写真にした時の革の発色はけっこう綺麗です。
縫製
縫製を始める前に•••
酢酸ビニル系接着剤は目打ちした穴を塞いでしまっていることがあるので、丸ギリで穴を広げて縫いやすくしておきます。
![](https://kawakagi.com/wp-content/uploads/2022/05/DSCF0909.jpg)
糸はMBT1番の紺色を使用しています。
![](https://kawakagi.com/wp-content/uploads/2022/05/DSCF0915.jpg)
糸が二重になるように縫い始め、摩耗の激しい部分の強度を高めています。
![](https://kawakagi.com/wp-content/uploads/2022/05/DSCF0922.jpg)
縫い上がった状態がこちら。
![](https://kawakagi.com/wp-content/uploads/2022/05/DSCF0923.jpg)
縫い合わせ面のコバはまだかなり荒れた状態なので黒豆カンナで削った後にコバを磨いていきます。
![](https://kawakagi.com/wp-content/uploads/2022/05/DSCF0924.jpg)
使用する黒豆カンナは「平」を使用しています。
![](https://kawakagi.com/wp-content/uploads/2022/02/DSCF6195.jpg)
コバ磨き2
カンナで削ったら以下の手順でコバの処理をしていきます。
途中画像を多数端折っておりますm(_ _)m
- 1CMC塗布
- 2ウッドスリッカーで磨く
- 3乾燥後ヘリおとし
- 4#240のヤスリで磨き
- 5CMC塗布
- 6發布磨き
- 7#400のヤスリで磨き
- 8CMC塗布
- 9發布磨き
コバの艶がうまく出ない場合は#400ヤスリでの磨きを繰り返すか、#600のヤスリで何回か磨くなど革の質に合わせて行なっていくことが多いです。
今回は最終#600のヤスリで磨いています。
完成
コバの磨きが終わったら完成です!
![](https://kawakagi.com/wp-content/uploads/2022/05/DSCF0942.jpg)
コバはやはり床面の色が若干出ており、ネイビー色に馴染ませるのは難しい革でした。
![](https://kawakagi.com/wp-content/uploads/2022/05/DSCF0943.jpg)
まとめ
今回はパーツが三個だけと、簡単な作りのペンケースの製作でした。
パーツは少ないですが立体成形しているため、存在感の大きい作品です。
そして比較的柔らかい革を使用しているため、使用しているうちに馴染んでペンの形に合った経年変化をしていくと思います。
今後も継続して作製工程のご紹介をして行きたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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