レザークラフトの手縫い方法と針・糸の準備手順【平縫い】|レザークラフト基本テクニック

基本テクニック

こちらではレザークラフトでの針と糸の準備、平縫いの方法、その手順についてご紹介していきます。

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平縫いとは

手縫いの最も基本的な縫い方で、目打ちであけた穴の中で2本の糸を交差させて縫っていく方法です。

目打ち穴の中で糸が交差し、万一糸が切れても縫い目がすぐには解けない丈夫な縫い方です。

針と糸の準備

用意するもの

針の選定は縫う革の厚みや糸の太さ、目打ち穴の大きさによって使い分ける必要があります。

あまり厚みのない革を細い糸で縫う際には「丸針・極細」がおすすめです。
針が太くないため、菱目打ちで開けた穴に糸を通す際の引っ掛かりが少なくなります。

目の細かいヨーロッパ目打ちや菱目打ちなどで開けた小さな穴でも必要以上に穴を広げる事が無いため、美しいステッチに仕上げることができます。
ミニチュアなどの細かい作品や極めて細い糸を使用する際には必須かもしれません。

クラフト社の丸針・極細サイズ
長さ:54.5mm、太さ:0.76mm

厚みのある革を縫う場合は細い針だと針が曲がってしまうことがあるため、「丸針・太」の使用がおすすめです。
針は太い方が強度が高くなり、針自体のサイズも長くなるので摘みやすく、縫いやすさは向上します。
しかし、極細の欄に記載したように穴に通す際に引っかかりやすくなるため一長一短です。

クラフト社の丸針・太サイズ
長さ:61mm、太さ:1.06mm

手縫い用の糸には数多くの種類がありますが、ビニモMBTをお勧めしています。
ミシン用の糸ですが、手縫いでも問題なく使用することができます。
ロウ引きする必要がないので手や針がベタベタにならず、作品も汚れないという良品です!

実際の糸の太さや色を見たい方のためにサンプル帳も用意されています。

ビニモMBTについては下記記事にてご紹介しております。

おすすめの手縫い糸|レザークラフト素材
レザークラフトの手縫いで使用する”糸”についてまとめてみました。

ロウ(必要に応じて)

糸と針の準備をする際にはロウを使用することがあります。

20〜30cm程度までの長さを縫う場合には必要ありませんが、それ以上縫う際にはロウで処理することがあります。
処理方法は次の「糸の準備手順」でご紹介していきます。

糸の準備手順

糸の長さ

平縫いの場合、糸の長さは縫いたい長さの3〜4倍程度を目安にすれば間違いないと思います。

使用する糸が長くなり過ぎると、縫う時に糸が邪魔になるので注意が必要です。
※私は縫う長さが40㎝を超える場合は糸の長さを3倍弱にとどめるようにしています。

途中で糸が足らなくなってしまうことを考えると長い方が良いかもしれませんが、足らなくなったら足せばよいのであまり神経質にならなくてもいいかな…と最近は思うようになりました。

糸を針へ取り付ける

1糸の端から針の長さ分奥へ、糸の中心を割るようにして針を突き刺します。

2同じ要領で3回、少し間隔をあけて糸の中心を針で串刺しにしていきます。
※縫う糸の長さが短い場合は串刺しにする回数を1〜2回にしてもいいかもしれません。

3糸の端を針の穴に通します。

4針穴に通した糸の末端を、針の先端とは逆方向に引っ張ると針穴部分に糸が寄せられます。

5糸末端と反対側の糸を針穴方向へ持っていきます。

6糸末端側同様、針の先端と逆方向へ糸を引っ張れば糸の取り付けは完了です。

7ロウで固める(必要に応じて)

長い区間を縫い合わせる場合は糸がほつれて針から糸が外れてしまう場合があります。
そのような時は糸と針の繋ぎ目にロウを塗って固めることで対処が可能です。
※私は40cm以上縫う際にこの処理をするようにしています。

針穴から2〜3cm程度の糸にロウを塗って撚れば完成です。

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平縫い方法

平縫いの基本ポジション

平縫いは革の両側が見えるようにすることが基本です。
レーシングポニーなどを使用する際は自分に向かって縫い進められるように固定します。

縫い方

1表を右側にして革を立て、縫い始めの穴に糸を通します。

22本の針を揃えて引き抜いて左右の糸の長さを同じにします。
糸をピンと伸ばした時に2本の針のお尻が揃うよう調整してください。

3奥から手前に向かって縫い進めていきます。
始めは左の針を2番目の穴に通していきます。

4通した針を右手で右側に引き抜きます。

5引き抜く長さは10cm程度で止めます。

6この状態で右の針を2番目の穴に右側から通していきます。

7このとき、針は必ず左から通した糸の奥に通すようにしてください。

※この針の通し方を揃えないと針目が不揃いになり、ステッチがガタガタとなる原因となります

8右側の針を引き抜く前に先に通した左側の糸をほんの少しだけ右に引き、糸が右側の針に引っかかっていないことを確認します。

9引っかかっていないことが確認できたら右の針を左側に引き抜きます。

10左右の糸を均等に引っ張り、糸がねじれないように注意しながら徐々に引き締めていきます。

11最後は革が痛まない程度に力を入れて引っ張り、引き締めて1目の縫い上がりです。

2〜11を繰り返して縫い進めていきます。

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糸の始末

はじめに

今回はポリエステル糸を使用した糸の始末の方法をご紹介します。
ポリエステル系の糸は熱すると収縮して固まるため、糸の始末も簡単です。

糸の始末手順

1縫い終わりの位置まで縫い進めたら右側の針を直前に通した穴へ右側から通していきます。

2この時、穴の下部から通すようにすると直前に通した糸と絡まりづらくなります。

35〜10cm程度引き抜いた後、左側の針を同様の穴へ左側から通していきます。
このとき、穴の上部から通すようにすると右側から通す糸と干渉しません。

4左右の糸を均等に引っ張り、糸がねじれないように注意しながら徐々に引き締めていきます。

5革が痛まない程度に力を入れて引っ張り、引き締めます。

6最後は右側の針をさらに1個奥の穴へ通していきます。

7針を引き抜き、今度は引き締める直前、2〜3cm糸を残した状態で留めてボンドをつけます。

82〜3cm残した糸を引き締めます。

9革を固定具から取り外して裏返し、2本の糸をピンと伸ばします。

102本の糸の付け根に丸ギリの先を使ってボンドをつけます。
はみ出したボンドは布などで拭き取り、革が汚れないようにします。

11ボンドが乾いたら糸の根本1〜2mmの部分をハサミで切ります。

12少し飛び出している糸の末端をライターやヒートペンなどで焼き締めていきます。

13末端が冷えて硬くなる前にライターのお尻や丸ギリの柄で潰し、固定します。

142箇所とも処理をしたら出来上がり。

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糸の継ぎ方

1糸が足利なくなりそうな場合、残りの糸に余裕がある状態で先にご紹介した糸の始末方法で一度縫い留めを行ってください。

2その後、糸の始末をしたところから再度縫い始めます。

最後に

今回レーシングポニーの代わりにブックスタンドを加工したものを使用しました。
下記記事でご紹介しております。
ご興味がございましたらぜひご覧ください。

レーシングポニー(仮)を自作して作業効率アップ!|レザークラフト道具
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最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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