革を手縫いする時に作品を固定するもの欲しいな…と、レザークラフトを始めてすぐに思いました。
ググって調べた結果、レーシングポニーなるものが売っていたのですが…値段が高くて大きい。
中には安く手に入りそうな品もあったのですがピンキリ過ぎて手を出す勇気がなく…
自作することにしました。
安価な材料で使い勝手のいいものができたので、情報共有のために自作方法を紹介していきます。
レーシングポニーとは
まず、レーシングポニーとは何?ということですが、革を手縫いする際に作品を挟んで固定する”スタンド”のことです。
「卓上で使う」ものから「足と椅子で挟んで使う」ものまでさまざまな種類があります。
価格は安いもので3000円台から高い物では1万円以上の品もあり、ピンキリです。

名前もレーシングポニー、ステッチングホース、ステッチングポニー、ソーイングホース…等、いろいろな呼ばれ方をしています。
縫製時に作品を固定するだけで手縫い作業がとてもスムーズにできますし、針を通す位置のズレを抑えることもできるのでステッチの歪み軽減も期待できます。
【参考】クラフト社、協進エル、SEIWAの市販製品
参考までですが、レザークラフト用工具等を扱っている主要メーカー3社のレーシングポニーを各社のカタログから引用してみました。
※価格も参考までに記載しておりますが、カタログに記載のある価格であるため、実際の販売価格とは異なる場合がございます。
メーカー名 | 商品名 | 価格(税別) | サイズ(高さ) | その他 |
---|---|---|---|---|
クラフト社 | テーブルポニー | ¥9000 | 27㎝ | クラフト社オリジナル卓上スタンド |
クラフト社 | レーシング ポニー | ¥3500 | 38㎝ | 足と椅子の間に挟んで使用 |
クラフト社 | ステッチング ホース | ¥8000 | 38㎝ | 保護革付き素早く固定 |
協進エル | ステッチング ポニー | ¥3500 | 38㎝ | ネジで止めるだけのシンプルな作り |
協進エル | ソーイング ホース | ¥8000 | 35㎝ | ラバーウッド材使用で革を保護 |
協進エル | マルチアングルバイス | ¥4100 | 不明 | アルミダイキャスト製で360度回転 |
SEIWA | ステッチング ポニー | ¥12000 | 38㎝前後(?) | 保護革付きで作品を保護 |
一番安いもので3500円程度、平均8000円前後の価格帯のものが多いようです。
協進エルのマルチアングルバイスのみ、他と少し仕様が異なっており、机に固定する金属工具です。
どれも25㎝以上(マルチアングルバイス以外)の大きな工具である点もレーシングポニーの特徴と言えるかもしれません。
自作完成品
先に今回ご紹介するレーシングポニー(仮)の写真です。

ブックエンド2個と大き目のクリップ、革の端切れで作製しました。
めちゃくちゃ簡素な作りですが、固定した際の安定感は良いと思います。
安定感を増したい時にはクリップの数を増やすか、開口幅の小さいクリップで固定してもいいかもしれません。
そして何より、マンションの一室で作業している私にとっての一番のメリットは場所を取らないことです。
使わない時に机の隅に重ねて置いておけば邪魔になることがありません。
あと軽いので持ち運び等もしやすいです。

材料
ブックエンド
サイズ:縦18㎝×幅13㎝×奥行13㎝

大き目のクリップ
サイズ:口幅10㎝

革の切れ端
サイズが縦10㎝×横14.5㎝の革2枚をそれぞれ二つに折ってサイドを縫い合わせるだけです。

縫製道具
糸、針、菱目打ち、カッター(必要に応じて:ボンド、ネジ捻…等)
穴を空けて縫うことができれば何を使用しても大丈夫です。
(自分で使用するものなので)
作成方法
- 切り出しブックエンドの先端で作品が傷付かないようカバーを作成するため、縦10㎝×横14.5㎝になるように革を2枚切り出します。
使用する革は今後使う予定のない革の切れ端などを使用して大丈夫ですが、表面が滑らかなものの方が挟む際に革へ傷がつき辛いのでお勧めです。
- 縫製革を二つに折り、縫いあわせます。
切り出した革の10㎝の面を半分に折り、革の端から3mm程度の所を両サイド共に縫っていきます。
- 完成ブックエンドの上部にかぶせたら完成です。
と、とても簡単にできます!
使用方法
縫製する作品をカバー部分に挟んでクリップで固定します。

安定性が悪いなと思ったら作品の一部だけクリップの上に乗せることで安定することもあります。

使わない時には重ねてクリップで固定すれば省スペースで収納することも可能です。

まとめ
今回作成した物はかなり簡素な作りになっていますが、私自身実際に使用しており、卓上レーシングポニーと同じような使用感で使うことができています。
トートバッグなどの大きな作品を作成する際にはもっと高さが必要になってくるのでレーシングポニーの購入を考えても良いと思いますが、小物の作製程度でしたら1000円以下の材料費で作製することができるのでお勧めです!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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