いつも当ブログをご覧いただきありがとうございます。
このたび、私が運営するブランドでの製品制作において、キャメル・グリーン・ネイビーの3色を「姫路産レザー」から「栃木レザー」へ変更することとなりました。
これにともない、現在販売している該当3色の「革ハギレ」についても順次栃木レザーへと切り替えて参ります。
既存の姫路産レザーのハギレも在庫がある限り併売いたしますが、ご購入時にお間違いのないよう、販売ページの商品画像にはどちらの革であるかを明記しております。
ご確認の上、お好みの革をお選びいただけますと幸いです。

新しく導入する栃木レザーがどのような特性を持っているのか、作り手の視点から客観的な違いをお伝えします。
「栃木レザー」の特徴と、これまでの姫路産レザーとの違い
今回導入する栃木レザーは従来の姫路産レザーと同様に「ピット槽」による植物タンニン鞣しの本革です。長時間をかけてじっくりと鞣された繊維密度の高さは、栃木レザーならではと言えます。
大きく異なるのはその「仕上げ(染色方法)」です。
仕上げの違い:「染料+オイル」から「セミアニリン」へ
- 従来の姫路産レザー: 「染料 + オイル仕上げ」
- 新しい栃木レザー: 「セミアニリン仕上げ」
セミアニリン仕上げとは染料の風合いを活かしつつ、ごく薄く顔料を乗せる手法です。
いわば「染料と顔料のいいとこ取り」であり、従来のオイル仕上げに比べて色ムラや銀面(革の表面)の微細な傷がカバーされ、全体的な美しさが均一で質が高いというメリットがあります。
なぜセミアニリン仕上げの革は「質が高い」と言えるのか?
レザークラフトでよく使われる革の仕上げには、大きく分けて「素上げ(染料のみ)」と「顔料仕上げ」の2つがあります。
- 染料仕上げ: 革の風合いが抜群に良い反面、傷や色ムラがそのまま出やすく、ハギレとしては使いにくい部分が多くなる。
- 顔料仕上げ: 傷は隠せるが、ペンキを塗ったような質感になり、革本来のエイジング(経年変化)が楽しみにくい。
今回導入した栃木レザーの「セミアニリン仕上げ」は、この2つのちょうど中間に位置します。
水性染料で革の芯までしっかりと染め上げた後、ごくごく薄く表面に顔料を吹き付けることで、天然の銀面(革の表面)の表情やしなやかさを一切殺さずに、製品として使える美しい均一な質感を実現しています。
もちろん、タンニン鞣しならではのエイジング(経年変化)もしっかりと楽しめます。
「ハギレを買ったけれど、傷や色ムラが激しくて作品に使える部分が少なかった」という失敗が起きにくいため、特に小物を制作するレザークラフト初心者から中級者の方には非常に扱いやすい革と言えます!
コバの磨き上がり
仕立てにおいて重要な「コバ(革の切り口)」の磨き上がりですが、これに関しては2つの革に大きな差はありません。
私が運営するブランドでの製品制作でも、これまでと変わらないクオリティで美しく磨き上げることができています。
裁断時の扱いやすさ
実際に包丁やカッターを入れてみた率直な感想として、今回の栃木レザーは従来の姫路産レザーほどオイルが多く含まれていません。そのため、刃の通りに若干の摩擦(引っかかり)があり、最初は少し裁断しづらく感じる部分があります。
もし「切りにくい」と感じた場合は刃を研ぎ直すか、こまめに刃を交換していただければと思います。刃先が鋭利であれば問題なく綺麗に裁断できます。
継続販売と今後の予定について
なお、ブラック(ブライドルレザー)、ブラウン、レッドの3色につきましてはこれまで通り従来のオイルレザーを継続して販売いたします。
こちらは変更ございません。
栃木レザーのハギレは現在はテスト販売という形で若干数のみを出品している状況です。
本格的なロットの準備が整い次第、順次本格的な販売へと移行させていただきます。
新しく加わる栃木レザーのハギレ、ぜひ皆様の作品制作にお役立てください!




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