B5サイズの手帳カバーを作ってみました!|レザークラフト新作開発

新作開発

今今回はB5サイズの書籍カバーを手帳カバーに変身させていく方法をご紹介します。

改造する書籍カバーはこちら。

書籍カバーには手帳も装着できますが、書籍に装着することだけを目的としており、ビジネスシーンで使うことの多い名刺入れや書類ポケットがついておりません。

今回はお客様からオーダーを頂いた、書類ポケットを付けない手帳カバーを作製していきます。

全体のサイズはB5書籍カバーと同じサイズであるため、表のみ型紙は転用し、内側の型紙を新しく作成します。

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完成品

裏表どちらも㈱山陽のブライドルレザーを使用します。

㈱山陽の本ヌメ革|おすすめのタンナー
こちらでは私がメインで使用している、”株式会社山陽の本ヌメ革”についてご紹介しております。この記事が皆様の山陽レザーについて知るきっかけとなれたら嬉しいです。

山陽の革は和乃革様で販売されています。

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使用する道具

基本道具

道具は下記記事で紹介したものをメインに使用。

レザークラフト~始める前に揃えるべき、おすすめ工具18選~|レザークラフト工具
今回はこれからレザークラフトを始めたい方に向けた内容となります。始める前に最低限、揃えるべき工具を13品、私が使用した経験を元にご紹介していきます。

作製工程

型紙の作製

こちらはB5サイズの書籍カバーの型紙です。

この型紙の表革用型紙はそのまま使用し、内側パーツ用型紙のみ新しく作成していきます。

型紙の作成方法はこちら↓

型紙の作成方法|レザークラフト基本テクニック
今回の記事はレザークラフトでおすすめの型紙の作成方法についてまとめております。

外枠の大きさは書籍カバーに合わせます。

曲線部分はR30の曲線で描いていきます。

型紙にはあらかじめ目打ち箇所の跡をつけ、

各パーツ毎に粗断ちしておきます。

ハンドプレス機を使って…

菱目打ちで型紙に目打ちをしていきます。

コーナー部分は丸ギリで目打ちをし、

コーナー抜き具で予め裁断しておきます。

最後は外枠に沿って裁断していきます。

直線は定規を使うと…

奇麗に裁断できます。

型紙が完成しました。

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転写

作製した型紙を革に転写していきます。

大枠は丸ギリで跡をつけ、

目打ち位置に菱目打ちを当てていきます。

転写ができたら粗断ちをします。

内革は1.2mm、表革は1.8mmの厚みです。

トコ磨き

トコプロを使用してトコ面を磨きます。

内革はCMCでトコ面処理をしています。

裁断

目打ち等をしやすくするためにパーツ毎に粗断ちしておきます。

特にハンドプレス機を使用する場合は奥行に制限があるので粗断ちは必須です。

菱目打ちで目打ちを行い、

革包丁で裁断します。

今回は5つのパーツができました。

冒頭にペンホルダーの型紙を載せておりませんでしたが、右上の長方形の革がペンケース部分になります。

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コバ磨き1

縫製後に磨くことができない部分のコバを事前に磨いておきます。

コバ磨きにはCMCを使用します。

CMC塗布後に柔らかい布で磨きます。

1.2mm厚の革のヘリ落としは基本的にトコ面側のみ行うようにしています。

銀面、トコ面、両面のヘリ落としをしてしまうと革のヘリが薄くなり過ぎてしまうので注意です。

#400の紙やすりで磨き、

CMCで磨いていきます。

磨く部分が張り合わせのない1枚革の場合、裁断面の凹凸も少ない為、基本的に#400の紙やすりだけでかなり奇麗になります。

磨きが足りないな、と思った場合は「#400の紙やすりで磨き→CMC塗布後に布で磨く」を2,3回繰り返すだけでかなり奇麗になります。

使用する革によってコバの磨き方が変わってきますのでお使いの革に合わせた磨き方を実践いただけたらと思います。

今回使用した山陽のブライドルレザーは1度でかなり奇麗になりました。

接着1

カードケース部分の接着を行います。

銀面の接着面と

トコ面の接着面を荒らしておきます。

酢酸ビニル系のボンドを使用して

張り合わせます。

今回はカード入れ部分の接着のみを行いました。

これは表革に接着する前にカードの仕切り部分を先に縫う必要があるためです。

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縫製1

中央から縫い始め、

外枠に向かって縫い進めていきます。

縫製完了時の写真を撮り忘れました…すみません。

仕切り部分2ヵ所の縫製が終わったら次へ進みます。

接着2

先に作製した内革パーツを表革に接着していきます。

右側パーツのトコ面にボンドをつけて

貼り付け。

左側パーツの床面にボンドをつけて

貼り付けます。

貼り付けた際はクリップなどで押さえておくと強く接着できるのでお勧めです。

金属製のクリップを使う際は革を傷めてしまうことがあるので、使わない革の切れ端を切って下の写真のように嚙ませると良いかもしれません。

ペンホルダーを接着していなかったので後ほどくっつけました。

縫製2

周囲を縫製していきます。

縫製前には接着部分の菱目穴を丸ギリで少し広げておきます。

接着剤が硬くなって穴をふさいでいると縫い針の通りが悪く、作業に時間がかかってしまうためです。

縫い留め跡が目立たなさそうな位置から始め

縫い進めていきます。

周囲を縫い終えた状態の物です。

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コバ磨き2

外周のコバ磨きは革を張り合わせているので凹凸が多く、均一に均すために豆カンナ(平)を使って削っておきます。

あまり削りすぎるのも良くないので私は0.5mm程度に抑えるようにしています。

豆カンナはコツをつかむと奇麗にコバをならせます!
(コツ掴むまでは少し扱いづらいかもしれません…。)

カンナで削り終えたらCMCを塗布し、

ウッドスリッカーで滑らかに均します。

内、表、両方のヘリをぐるっと1周落とし、

#240の紙やすりで磨き、CMCを塗布。

乾いた布で磨きます。

#400のやすりで何回か磨くとコバの完成です。

↓コバ磨きについての詳細はこちら↓

コバ処理(コバ磨き)の手順とおすすめ工具|レザークラフト基本テクニック
コバ処理(コバ磨き)とは”革の断面(コバ)を磨いて綺麗にすること”です。今回はコバ磨きに適していると言われる、「タンニン鞣しのヌメ革」を使用した方法をご紹介していきます。
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完成

今回はB5サイズのカバーのため、かなり大きい作品となりました。

大きすぎて画角があまり良くなく、サイズ感が掴みづらい写真になってしまいました…。

撮影技術もっと向上させます!笑

まとめ

今回は書籍カバーを改造してB5サイズの手帳カバーにしてみました。

型紙も0から作るわけではなかったので比較的手間もかからず作成できたのかなと思います。
少し変化させるだけで全く違う作品を生み出せるのはモノづくりの醍醐味ではないでしょうか。
レザークラフトの奥の深さはこうやって生み出されるんだな…と改めて実感しました。

これからもたくさん新作作っていきます!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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